1.外出中に災害が発生した場合の基本対応

1-1. 初動の安全確保

 大きな災害が突然発生した場合、まず初めに行うべきは自身の安全を確保することです。外出中の地震や台風の際には、ビルの窓ガラスや看板が落下する危険があります。揺れを感じたら、建物の中に避難し可能な限り安全な場所に留まることが重要です。また、停電により信号機が故障する可能性があり、交通事故が発生するリスクも高まりますので、道路には近寄らないようにしましょう。防災の基本は、まず自分の身の安全を確保することです。

1-2. 帰宅困難時の対策

 災害時には、帰宅を諦めることが安全確保につながる場合もあります。多くの人が一斉に帰宅を試みると、駅や道路が大変混雑するため、帰宅難民が発生しやすくなります。公共交通機関が麻痺した場合や道が塞がれている場合には、会社や学校などの避難場所に留まることを推奨します。また、渋谷のように液状化現象が発生する地域では特に慎重な行動が求められます。事前に家族と連絡を取る方法や、どこに避難するかを確認しておくことが重要です。このような準備ができていれば、災害時の混乱を少しでも減少させることができます。

2.家族との連絡手段の確保方法

 外出中に災害が発生した場合、まずは自分の安全を確保することが最優先ですが、その次に重要なのは家族との連絡をどうするかです。以下では、家族との連絡手段を確保するための具体的な方法を紹介します。

2-1. 音声通話の利用

 災害発生時には、まず音声通話を試みることが一般的です。しかし、大規模な災害時には多くの人が同時に電話をかけるため回線が混雑し通話ができない場合があります。このため、緊急事態であっても音声通話を使用する際は短時間で要点を絞って話すよう心がけましょう。また、災害の影響で電波が途絶えることも考えられるため、他の連絡手段も考慮しておくことが重要です。

2-2. 災害用伝言ダイヤル

 災害時には電話がつながりにくくなるため、災害用伝言ダイヤル(171)を利用することをお勧めします。このサービスは、安否確認やメッセージのやり取りを行うためのシステムで、慣れていないと使い方に戸惑うこともあるため、事前に操作方法を確認しておきましょう。災害用伝言ダイヤルを利用することで、家族が安心できるだけでなく、他の緊急事態においても有効です。

2-3. インターネットを使った連絡方法

 インターネットを使った連絡方法も非常に有効です。特にSNSやメールは、回線が混雑している中でも比較的つながりやすいです。TwitterやFacebook、LINEなどのSNSは、短いメッセージであっても迅速に情報を伝えることができます。ただし、携帯電話の電池消耗が激しくなるため、電源の確保方法も考えておく必要があります。モバイルバッテリーを常に持ち歩くなどの準備をしておくと安心です。

3.事前にできる準備

3-1. 連絡手段の確認と共有

 外出中の災害に備えて、事前に家族との連絡手段を確認し、共有しておくことが重要です。まず、携帯電話の充電を常に確認し、外出する際にはモバイルバッテリーを持ち歩くようにしましょう。また、音声通話がつながりにくい状況に備えて、メールやSNSなどのインターネットを利用した連絡方法も有効です。さらに、災害用伝言ダイヤル(171)の利用方法を家族で共有しておくと安心です。このように多様な連絡手段を確認し、家族と共有することで、災害時に迅速かつ確実に連絡を取ることができます。

3-2. 緊急時の連絡場所の決定

 災害時には通信環境が不安定になることがあるため、家族と事前に連絡場所を決定しておくことが重要です。外出中に帰宅困難になった場合に備え、駅や公共施設、避難所など、家族が集まりやすい場所を事前に話し合って決めておきましょう。また、その場所の地図や行き方を確認しておくとさらに安心です。これにより、外出中に災害が発生しても、家族との再会がスムーズに行えるようになります。事前に家族で防災について話し合い、行動計画を立てておくことが、災害時に冷静で迅速な対応を可能にします。

4.災害後の連絡と再会のコツ

4-1. 帰宅ルートの選択

 災害後に無事に家族と再会するためには、帰宅ルートの選択が重要です。外出中に災害が発生した場合、まずは安全な場所に移動し、揺れが収まった後に行動を開始します。特に地震の場合は、ビルの窓や看板が割れて破片が落下する危険がありますので、建物の中に留まるか、周囲の安全を確認してから移動しましょう。

 停電により信号機が故障し、交通が麻痺することも考えられます。混乱した状況では車や自転車を使うのは避け、徒歩での移動が安全かつ効果的です。公共交通機関の復旧状況を確認し、利用可能かどうかも考慮しましょう。

 事前に自宅までの安全な帰宅ルートを複数確認・シミュレーションしておくことが、迅速かつ安全な帰宅に繋がります。また、各ルートにある公衆電話や避難所の位置も把握しておくことが重要です。

4-2. 公共施設や避難所を利用する

 災害時に自宅までの道のりが困難である場合、公共施設や避難所の活用を検討します。特に帰宅が難しい場合は、焦らずに安全な場所で一時的に避難し、混雑や事故のリスクを避けましょう。避難所では、食料や水、医療ケアなどの支援が受けられる場合があります。

 外出中に災害が発生した際、家族との連絡を確保するためには事前に集合場所や避難所を決めておくと安心です。災害用伝言ダイヤル(171)やインターネットを通じて、無事を知らせ合うことも有効です。

 帰宅難民になるリスクを低減するためにも、企業や個人で防災対策をしっかりと行い、具体的な行動計画を立てることが求められます。災害時の連絡手段を確認・共有し、安心して再会を果たせるよう準備しておくことが大切です。